AIによる診察はどこまで進むか またその責任は誰にあるのか? ということが話題になった。
確かにAIの進歩は著しい。
AIが診断するのか、ということはよく言われるが、
おそらく近いうちに、5年を待たずに、ネットで、無料のサービスが始まる。
症状 血液検査の結果などを入れると、考えられる病名と治療法まで提示してくれる、診断ChatGPT(仮称)である。
我々もこの手のサービスを利用する様になるかもしれない。
将棋指しが、対局の途中にトイレに行って、スマホで次の一手をチェックすることがあるという。
これは叱責されるそうだが、将棋でも医療でも有効であることは確かだ。
しかし、人が 診断ChatGPTで自分で診断して自分で売薬を買って治療しているだけなら良い。
しかし、一旦外来を訪れて我々医師に相談したり、この結果を確認したら、責任は我々にあることになるだろう。
いくらスマホを見て将棋を指しても、負け将棋の不名誉は指し手が背負うものであるように、だ。
それよりも皆様は、英語翻訳サービス そして、今のChatGPTが鎬(しのぎ)を削って、能力を向上させている理由を皆様はご存知だろうか。
実際に我々はそのサービスに無料で浴している。
よろしいか。これは我々のアイデアを掠め取ろうとしているのですぞ。
研究実験して得られたデータをChatGPTに入れると一瞬で論文ができるのかもしれない。
しかし、それと同時に、その ChatGPTの管理者にデータが入るのですぞ。
そしてこの手のもの。使えば使うほどコンピュータが学習して性能が高まるもの。Deep learnningというのであろう。
例によって国際競争が熾烈さを増している。
我が国は例によって大きく出遅れている。
中国は、自国産の作り、あそこは世界とネットを遮断しているから、12億中国のデータを一手に集め、ChatGPTの性能を高めている。と同時に人民を管理しているのだ。
そしてそれなりの性能のものを作り、世界に出て来るだろう。
TikTokのように、だ。
この手の我々の対策として・・・
論文なり報告書を作るのには便利だろうが、データを全部ぶち込んで作ることはやめるべきだ。
データを取られている、という認識を持つべきだ。
一部データを外したり、フェイクデータを入れたりして、少し考えながら、論文なり報告書を作るべきであろう。
これが現代に必要な我が身を守るデジタル・センスであろう。
これをしないと、牧場の子羊になるぞ。
勉強会の演者のT先生がChatGPTで描かれた絵を見せてくれた。
どこぞのコンテストで優勝したらしい。
優勝者は辞退したそうだが、そのようなことがもはや問題ではないのだ。
データが掠め取られることこそが大問題なのである、ということを認識すべきだ。
不思議なことにこの真実、ChatGPTの肝というべきことは、どこのマスコミも、誰も触れていないが、気がついていないのだろうか。
札幌市医師会医政委員会 令和6年4月16日(火)目録
0 件のコメント:
コメントを投稿