2024年4月22日月曜日

AIによる診察はどこまで進むか またその責任は誰にあるのか?

 AIによる診察はどこまで進むか またその責任は誰にあるのか? ということが話題になった。
 
確かにAIの進歩は著しい。
 
AIが診断するのか、ということはよく言われるが、
おそらく近いうちに、5年を待たずに、ネットで、無料のサービスが始まる。
 
 症状 血液検査の結果などを入れると、考えられる病名と治療法まで提示してくれる、診断ChatGPT(仮称)である。
 我々もこの手のサービスを利用する様になるかもしれない。
 将棋指しが、対局の途中にトイレに行って、スマホで次の一手をチェックすることがあるという。
 これは叱責されるそうだが、将棋でも医療でも有効であることは確かだ。
 
 しかし、人が 診断ChatGPTで自分で診断して自分で売薬を買って治療しているだけなら良い。
 しかし、一旦外来を訪れて我々医師に相談したり、この結果を確認したら、責任は我々にあることになるだろう。
 いくらスマホを見て将棋を指しても、負け将棋の不名誉は指し手が背負うものであるように、だ。
 
 それよりも皆様は、英語翻訳サービス そして、今のChatGPTが鎬(しのぎ)を削って、能力を向上させている理由を皆様はご存知だろうか。
 実際に我々はそのサービスに無料で浴している。

 よろしいか。これは我々のアイデアを掠め取ろうとしているのですぞ。
 研究実験して得られたデータをChatGPTに入れると一瞬で論文ができるのかもしれない。
 しかし、それと同時に、その ChatGPTの管理者にデータが入るのですぞ。
 
 そしてこの手のもの。使えば使うほどコンピュータが学習して性能が高まるもの。Deep learnningというのであろう。
 例によって国際競争が熾烈さを増している。
 我が国は例によって大きく出遅れている。
 中国は、自国産の作り、あそこは世界とネットを遮断しているから、12億中国のデータを一手に集め、ChatGPTの性能を高めている。と同時に人民を管理しているのだ。
 そしてそれなりの性能のものを作り、世界に出て来るだろう。
 TikTokのように、だ。
 
 この手の我々の対策として・・・
 論文なり報告書を作るのには便利だろうが、データを全部ぶち込んで作ることはやめるべきだ。
 データを取られている、という認識を持つべきだ。  
 一部データを外したり、フェイクデータを入れたりして、少し考えながら、論文なり報告書を作るべきであろう。
 これが現代に必要な我が身を守るデジタル・センスであろう。 
 これをしないと、牧場の子羊になるぞ。
 
 勉強会の演者のT先生がChatGPTで描かれた絵を見せてくれた。
 どこぞのコンテストで優勝したらしい。
 優勝者は辞退したそうだが、そのようなことがもはや問題ではないのだ。
 データが掠め取られることこそが大問題なのである、ということを認識すべきだ。
 
 不思議なことにこの真実、ChatGPTの肝というべきことは、どこのマスコミも、誰も触れていないが、気がついていないのだろうか。   


札幌市医師会医政委員会 令和6年4月16日(火)目録

診療報酬改定 財政審 増田氏 とは何者か? 

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/blog-post.html

今回の診療報酬改定の主題 DXと給料 

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/blog-post_21.html 

治療標的の遺伝子変異15% 

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/15.html

AIによる診察はどこまで進むか またその責任は誰にあるのか?

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/ai.html 

残業規制 9割守れず 

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/9.html 

人材派遣会社の闇 

 https://sapporomedical.blogspot.com/2024/04/blog-post_22.html

 

映画予告編 英文訓読法で完全理解 目次
 

令和6年4月1日 以降の記事 目次

 

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